Furoshiki Mignon

【世界の風呂敷文化】四角い布に込められた知恵と美学

世界の風呂敷文化

四角い布に込められた知恵と美学

風呂敷といえば、日本の伝統的な包み布ですが、「四角い布を使う文化」は日本だけのものではありません。世界各地にも、風呂敷と同じように使われている布文化が存在します。そこには、環境への配慮、知恵と工夫、そして美しさが詰まっています。本コラムでは、各国の風呂敷文化を紹介しながら、日本の風呂敷の可能性について考えていきます。

 
 

 

各国の“風呂敷”文化

韓国:ポジャギ(보자기)

韓国には「ポジャギ」と呼ばれる伝統的な包み布があります。風呂敷と同じく、贈り物を包んだり、物を運ぶために使われてきました。ポジャギは、細かく縫い合わされたパッチワークのデザインが特徴で、透け感のあるシルクや綿で作られています。単なる包み布ではなく、美しい工芸品としての価値も持ち、韓国の伝統文化の中で大切にされてきました。

 

中国:バオフー(包袱)

中国にも「包袱(バオフー)」と呼ばれる布文化があります。歴史的には唐の時代から存在し、宮廷で貴重品を包んだり、旅行時に荷物をまとめたりするのに用いられていました。日本の風呂敷のルーツの一つともいわれており、日中間の文化交流の中で広まった可能性も考えられます。

 

中東:シェマーグ

中東では「シェマーグ」と呼ばれる大判の布が広く使われています。主に頭に巻くスカーフとして知られていますが、風呂敷のように荷物を包んだり、日除けや防寒具としても活用されます。100cm四方の布という点では、日本の風呂敷と共通点が多く、現地の生活に欠かせないアイテムです。

 

インド:サリーとドゥパタ

インドでは、女性が着用する「サリー」や「ドゥパタ」と呼ばれる布があります。これらは本来、衣服として使用されるものですが、荷物を包んだり、赤ちゃんをくるんだりする用途にも使われています。布一枚を多用途に使う文化は、風呂敷の考え方と非常に似ています。

 

アフリカ:カンガとキテンゲ

アフリカには「カンガ」や「キテンゲ」と呼ばれる布文化があります。特にカンガは、カラフルなデザインが特徴で、女性が赤ちゃんをおぶったり、衣服として巻きつけたり、荷物を包んだりするのに使われます。日本の風呂敷のように、日常のさまざまなシーンで活躍する万能な布です。

 

ヨーロッパ・アメリカ:エコラッピングとしての風呂敷

近年、日本の風呂敷はエコバッグやギフトラッピングとして、ヨーロッパやアメリカでも注目されています。特に、環境意識の高まりとともに「使い捨てない包装」として風呂敷の価値が見直されています。ニューヨーク・タイムズなどの海外メディアでも取り上げられ、繰り返し使えるラッピングアイテムとして人気を集めています。

 

 

風呂敷がつなぐ世界の文化

こうして見ると、風呂敷は日本だけの特別なものではなく、世界各地に似た文化が存在することがわかります。どの国でも、布を単なる道具としてではなく、生活の一部として受け入れ、工夫しながら活用してきました。

日本の風呂敷は、折りたたんでコンパクトに持ち運べる利便性、デザインの美しさ、そして環境にやさしいという点で、世界に通用する魅力を持っています。各国の布文化との共通点を見つけながら、日本の風呂敷をグローバルに広めていくことも、今後の可能性として考えられるでしょう。

 
 

風呂敷を世界へ

日本の風呂敷は、環境に優しく、多用途に使える素晴らしい文化です。そして、それは決して日本だけのものではなく、世界のさまざまな国で「四角い布」の文化が存在し、人々の生活を支えてきました。

これからの時代、サステナブルなライフスタイルが求められる中で、風呂敷の価値はさらに高まるでしょう。伝統的な文化を大切にしながら、新しい使い方を取り入れ、世界中で風呂敷を楽しんでもらえるような取り組みが求められています。

世界の「四角い布」文化とともに、日本の風呂敷を次世代へ、そして世界へとつなげていきましょう。

 

by Furoshiki Mignon

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