Furoshiki Mignon

風呂敷の動詞は、「包む」と「結ぶ」のどちらがよりふさわしいか?

 

〔包む〕も〔結ぶ〕も、風呂敷を使う上での代表的な動作である。

 

包むだけでは運ぶときに中身がずれていくが、結ぶことで固定できる。

ロールキャベツは葉で包んでからかんぴょうで結ぶ。

風呂敷はシンプルに見えながらも、それらを1枚でこなせる上、他にも様々な動詞が見つけられる。

 

 

風呂敷で使える動詞

 

たとえば、

中身を〔ひき締める〕〔まとめる〕

フックに〔引っかける〕〔吊るす〕

他の風呂敷やひもと〔つなぐ〕

手や肩に〔提げる〕

お腹に〔抱える〕

背に〔背負う〕

荷物を〔覆う〕〔巻く〕〔運ぶ〕

名前通り〔敷く〕こともある。

 

まだまだありそうだが、こうして眺めると、まるで人そのものだ。

身体があり、四つの手足がある。

道具とは手足の機能を置き換えたものだが、通常は機能を限定し特化する。

一方風呂敷が人のようになんでも行なうのは、欲張りな道具というわけではない。道具をつくる元の材料だから、小麦粉や卵のように、いちから広くアレンジができるのだ。

 

 

風呂敷と人は似ている?

 

人は体に4本の手足を持ち、風呂敷もまた体に4つの角を持つ。

人は直立歩行する風呂敷ともいえるし、共に歩むパートナーとして、人はロボットではなく風呂敷と出会ったのだ。

 

 

風呂敷に最もふさわしい動詞とは?

 

人を肩書で語れないように、人型汎用布である風呂敷も1つの動詞では言い尽くせない。

いつかの動作の融合により足し算を超えた新機能が生まれる。

〔包む〕と〔結ぶ〕では、包んだものを結んで固定するだけにとどまらない。

Hugというのはどうか。

包みながら結ぶことで、中身を無理なく圧縮し〔抱きしめる〕が実現されるのだ。

written by Furoshiki Mignon

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