Furoshiki Mignon

風呂敷のサイズは決まりがあるの?

 

縄文時代から変わらない反物のサイズと風呂敷

 

骨董市で埋もれているような昔の風呂敷は、たいてい反物を横につないで作られている。
反物の織り幅は縄文時代から変わっていないともいわれ、腰機織りにちなんだ36cmが、横糸方向の幅の基本となっている。
それをつなぐと、縫い代部分を引いて
2枚ではで70cm幅(二巾:ふたはば)、3枚は105cm幅(三巾:みはば)のように、35の倍数で風呂敷の横幅が決まっていた。

 

 

現代の風呂敷のサイズ

では風呂敷はそのサイズしかないかというと、現代では洋裁用に110cm巾で織られた生地が多く流通しているため、それ以下の好きな幅で裁断したり、またはつないでより大きくもでき、もはやサイズは自由である。
反物をつかって作る利点は、耳(織り幅のサイド)を使えるため、左右の端縫いが要らない。
また、乾きやすさや風にそよぐ美しさも期待できる。

織り幅の倍数以外のサイズは、
尺三巾(約50cm)、二尺巾(76cm)、二四巾(90cm)があり、それぞれ1尺3寸、2尺、2尺4寸を表す。ただ、一般的な1尺は約30cm、1寸は3cmで計算すると、上記と合わない。実は、和裁においては鯨尺といって1尺は約38cm、1寸は3.8cmで計算される。
以上のように、ふろしきのサイズ規格は反物の巾と和裁の鯨尺との組み合わせで表されているが、特にそれにとらわれる必要もない。反物の幅やほどいた着物の襟、おくみ部分を使った結果に対し、後から規格名をつけたにすぎないだろう。
それでも、あえてバンダナサイズを「尺三(しゃくさん)」と呼ぶのは粋かもしれない。

 

 

風呂敷の、大・中・小

サイズ別の使い分けは、小さい/少ない荷物は小風呂敷(約50cm)、大きい/多い場合は大風呂敷(100cm)で、その間に中風呂敷(70cm)がある。生地の厚みは、風呂敷の大きさに比例すると使いやすい。小風呂敷が厚いと結びにくく、大風呂敷が薄すぎると荷物の重さに負ける。手さげ状に使うときは、中身が軽いなら持ち手は1つでよく、重ければ2つあるほうが負担は分散する。包むものが大きくて角が届かないときに小風呂敷を斜めに折ってつないだり、細かいものを先に別の風呂敷でまとめてから大風呂敷で背負うような組み合わせもよくあるため、いつも大〜小の各サイズを携帯しておくと、自在度がいっそう高まる。

 

 

人と出会って風呂敷が活きる、風呂敷と出会って人は生きる

からだと風呂敷サイズの関係は、小風呂敷は指先で持つ感じ。中風呂敷はひじに引っ掛けたりお腹で抱き、大風呂敷は肩にかけたり背中でおんぶするようなスケール感。
風呂敷は単体では成立しない。人と出会って、動きはじめる。

 

written by Furoshiki Mignon

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